政治

「優秀の模範」を潜り抜けたコロナウィルス

この島全体で、最初の250日間は国内感染者が出ませんでしたが、その後件数は現在急速に増えています。台湾において悪化しているコロナウィルス感染症に関して、ウィルスはどのようにこの島の「優秀の模範」の防御態勢を通り抜けたのでしょうか。またすぐに再びコロナウィルスのない日常生活に戻れるのでしょうか。

020年に2,400万人の国民を抱えるこの島国は、感染者は1,000人以下でその90%は入国の際に発見され、隔離対象者からのウィルスの漏れは0件、死者は12人、そして250日間は国内感染者が1人もいませんでした。

しかしある金曜日に、保健当局は国内感染者が29人確認されたと発表し、翌日土曜日には180人、日曜日には206人、そして月曜日には330人の感染者が確認されました。大多数の感染は北部で見られ、特に台北市及び新北市に集中しており、調査所では陽性率10%を記録しました。台湾の累計国内感染者数のおよそ91%がここ4日の間に確認されました。

パンデミックが始まったのは4月下旬のことで、中華航空の航空機乗組員および、隔離中の航空機乗組員や地元観光促進活動の一環で宿泊していた台湾人観光客を収容した台北ノボテル桃園国際空港ホテルの従業員の感染からでした。航空会社およびホテルは両者ともにこのことで罰金を科せられました。

4月20日に、初めての感染者としてパイロット2人の感染が確認されました。その10日後、中央感染症式センター(CECC)は2週間隔離されていたノボテル従業員に対して「感染の可能性」への調査を行うと発表しました。この事例により、健康に関する自己監視の必須期間を設けたうえで、航空機乗組員の必要隔離期間を徐々に減らしていくという政府の決定への懸念が強まりました。

調査が始まったころには多くの乗組員は連絡がつかなくなっており、法律に違反して、感染の疑いがあるにもかかわらず公共の場所を訪れていた人もいたことが後にわかりました。台北市の元保健長官は、入国監視に関しての基準が緩和され、「独りよがり」であり続けているという点について、官僚らは「火遊びをしているようだ」と指摘しました。

5月中旬に、検査の結果、従業員18人およびその家族11人に陽性が確認され、航空会社もしくはホテルと関連のない地域でも感染者が現れ始めました。月曜日に、9か所で感染報告があり、それらはすべてイギリスで発見されたウィルスとほぼ同じ型に感染したもののようでした。

加えて、国家政府および地方自治体は人々の集まりに制限を加え、特定の職場、公共の場、そして学校を閉鎖し、非コロナ医療を削減し、出入国管理を強化しました。国民は手洗いや消毒を強化し、旅行を控えるように勧告されています。

しかしながら、台湾全土でその手順は異なり、法律の厳しい台北市や新北市でも完全なロックダウンは行われていません。台湾の保健大臣は、「レベル3においてはウィルス感染リスクを最小限にし、会合の規模を縮小すること」を守ったうえで、事業(囲いを施したうえでの飲食業も含む)を運営し続ける方針であると述べました。このパンデミックが近いうちに収束し、日常生活が戻り、そして友人らとの充実した時間を楽しめる日が来ることを願うばかりです。